交通事故のむち打ち後遺症は必ず認定されるのか?
交通事故に遭い、一番損傷しやすいのが首(頚椎損傷)なんです。
細い頚椎に大きな頭が乗っているために、衝撃を受けた際に頚椎の損傷する方が多いのです。
身体の中でもデリケートな箇所でもあるために、治療を行っても怪我をする前ほど回復出来ない場合(後遺障害)が残る場合もあります。
怪我(組織損傷)とは
むち打ち(頚椎損傷)とは、表面的には分からないが、身体の中の筋肉や靭帯などの組織(細胞)が損傷している状態です。
損傷した箇所は炎症を起こしたり、傷になって血行不良、柔軟性の低下から痛みなどを起こしたりします。
傷は傷跡となり修復した形にはなりますが、細胞レベルなどでは『元通り』という訳ではありません。
傷跡の部分は元の組織に比べ、柔軟性も落ちますし、血行なども落ちます。
『治った』と診断されても、突っ張り感があったり、寒いなど冷えたら痛くなったりする事もあります。
怪我は完全に治るのか?
細胞レベルまで完全修復とならない事があります。
痛みが無く日常生活(仕事やスポーツなど)が事故前の状態に遜色なく出来れば治ったと言う状態でしたら、回復出来る可能性は大いにあります。
診断書の『全治』とは
『全治◯週間』などは見たり、聞いたりした事があるかと思います。
これは一般的な怪我の状態が修復され医療的な処置の状態が必要なくなった状態と解釈できます。
つまり、刃物で指などを切った際に、糸で傷口を縫った後、傷が修復され消毒も必要無くなった状態。
または腕の骨を折った時、骨の整復をしてギプスでの固定後、骨が付き、ギプスが外れて「動かしていっていいよ?」という状態。
つまりそこに『リハビリ期間』は含まれていないのです。
プロスポーツ選手が怪我をして「〇〇選手は全治◯週間で・・・」と、スポーツニュースなどで聞いた事があると思います。
そのニュースを見て、「〇〇選手は◯週間治療して治ったらまた競技に出るんだ?」と思うかも知れませんが、そこからその失った機能回復、痛みを取るリハビリ期間は含まれておらず、そのリハビリ次第では現役復帰出来ない選手などもみえます。
交通事故のむち打ちで『全治1週間』と書いてあっても、1週間で痛みも取れ完治するという意味では無いのです。
保険会社から言われる『打ち切り』とは
何が『打ち切り』になるのか?
多くの患者さんは『治療の打ち切り』と勘違いされている方が多いです。
自賠責保険(適応)で医療機関に通う場合、『窓口負担は0円』で通院し治療が受けれます。
その間の治療費は、医療機関が1ヶ月間まとめて『任意保険会社』に請求をして、治療費が支払われます。
その治療費は自賠責保険から支払われるのではなく、『任意保険会社』が『立替払い』してくれているんです。
で、『打ち切り』とはその『立替払い』を終了すると言う事なのです。
医療機関は任意保険会社から『一括請求』して下さいと依頼があり、それは任意保険からの治療費支払いと自賠責保険範囲の治療費も、一括で請求して下さいね?という意味合いなんです。
『打ち切り』後の治療はどうしたら良いか?
保険会社らからの治療費の支払い(立替払い)が無くなると、医療機関は直接患者さんから治療費の請求となります。
つまり治療は同じ医療機関などを続けて通院出来ますが、患者さんが治療費を支払う事になります。
ただし、保険会社の立替から患者さん(被害者の立替)に変わる形になるので、自賠責保険の金額枠が残っていっればそこに請求する事も可能です。
打ち切り後の治療継続と治療費の支払いなどに関しては、ケースバイケースになる事が多いので、法律家の先生などに相談をして頂いた方がシンプルになります。
症状が残っているならば『後遺症認定』の申請を
さて、むち打ちなどの交通事故のお怪我の治療も、痛いからと言って一生涯通院は出来ず、『ある程度』のところで、治療期間を終了されます。
とは言え、痛いものは痛く、相手の都合で『終了』は腑に落ちません。
しかし、細胞的にも完全完治は難しいものである限り、壊れた物を新品レベルに修復出来ないように、ある程度『限界』が来るんです。
限界とは医療の限界。
治療を終えてから、数ヶ月数年かけてひょっとしたら良くなるもの、ずーっと治療をしようがしよまいが同じ状態(症状固定)となると、自賠責保険の適応が終了となります。
しかし、痛み残っているし、場合によっては一生涯不具合などを背負っていかないといけないのに・・・
それを解決するのが(解決じゃないかもしれないが)、後遺障害の認定を受けて、等級に該当する『お金』を受け取り、「これでごめんしてな(示談)」という形になります。
【治療→後遺障害→後遺症申請→後遺障害認定→慰謝料などの提示→示談】という流れになります。
『後遺症認定』されないことがある?
しかし、後遺症が認定されないこともあります。
むち打ちの場合はかなりの確率で認定不該当となる事が多いのです。
「え?本当に痛いのになんで??」と思われる事もありますが、後遺症認定にはその等級の症状に『該当』しなければ不該当になります。
きちんと評価してもらうには。
先ず、後遺障害申請書を作成するのは、病院の医師です。
接骨院は柔道整復師として施術は出来ますが、後遺症申請書は作成出来ません。
なので、接骨院などでリハビリに通う場合も、併用して病院の診察を受けて行く事が必須なんです。
これが患者さんも接骨院の先生も分かってないと、万が一後遺症が残った場合に、患者さんに不利益が起きてしまうんです。
後遺症ありきで病院や接骨院を選ぶことは無いと思いますが、『万が一』に備える必要があるかと思います。
そして万が一の場合は、損保会社に担当者ではなく、100%ご自身の味方である法律家に相談して下さい。
交通事故治療に詳しい接骨院と自負しております。