寝違いとは
頸椎や上肢のある動作によって、急に引き起こされる頚部~肩部の疼痛を言います。運動だけではなく、就寝時の頸椎の位置や、起床時の頚部の運動と同時に痛みを引き起こす物を『いわゆる寝違い』と呼びます。
運動痛と安静時痛があり、少しずつ緩和する場合も多くありますが、場合により痛みがどんどんと増強し且つ、数日に渡り続く場合が有ります。
また同じ様な症状で、一週間以上経っても症状が変わらない、もしくはどんどん酷くなっている場合や、腕などに痺れがある場合は『寝違い』ではない可能性があります。治療方法や対処が異なってくる場合がありますので、本当に『寝違い』なのかを早期に鑑別することも重要となってきます。
寝違いの症状
安静時痛や頸椎の運動に伴い、頚部~肩関節の痛み、または背部の痛みが引き起こされ、それにより関節可動域の制限などが起こります。しばらく安静にしていると症状が軽快する場合が多いのですが、疼痛が治まった後も慢性的になりますと首や肩、背中のコリが残ります。
また、元々首こりや肩こりがある方は、関節に負担がかかりやすくなる為、『寝違い』になりやすい傾向にあります。
寝違いの原因
多くの文献には、これと言う正確な事は解明されてないとあります。様々な説がありますが、当院の『寝違い』の考え方は頸椎関節部の歪み、それによる関節可動域障害と言う考えです。
この歪みが残っていると、炎症が引いて疼痛が軽減しても、張り感、運動痛は残り、筋肉のアンバランスから血行障害が起こり、コリが発生します。
寝違いの改善方法(ワンポイントアドバイス)
強い炎症症状の際には、横になって頂き患部を動かさない様に、安静を行って下さい。症状の出始めは、患部が炎症を起こしている可能性がありますので、ご自身にてストレッチなどを行うと、症状を悪化させる恐れがありますのでお控えください。
また氷嚢を作り患部を冷やしたり、抗炎症剤が入ったシップ剤などの外用薬も有効です。炎症症状が収まりましたら、患部周辺の筋肉を緩和する為、ゆっくりと動かしていきます。
今度はお風呂などで良く温めながら、右、左、右と頸椎の回旋運動を強い痛みの無い範囲で行って下さい。上を向くなど、首を反らせる様な姿勢を致しますと、頸椎関節に大きな負荷が掛かってしまいますので、ご自身では行わない様お気をつけ下さい。
当院ならではの寝違い治療
文献『医歯薬出版 頸診療マニュアル』にも紹介されている通り、カイロプラクティック・マニプレーションが有効的だと考えます。もちろん炎症状態では無い事が前提ですが、早期の炎症が少ない状態、もしくは慢性的なコリが発生した状態に効果をもたらします。
炎症症状が強い時にはメディセルなどの『吸引筋膜療法』を用いて循環を改善したり、『微弱電流機器』にて細胞レベルで施術を行い炎症と疼痛を早期に軽減させます。
炎症が治まれば疼痛はかなり軽減されますが、徒手による施術によって、残っている慢性的なコリを取り除き、疼痛を減らし、『寝違い』の再発を防ぐためにお身体の改善を行うのが良いと思われます。 関節を動かし周辺の軟部組織を緩め、骨格を操作し動きを付ける施術を行います。
寝違いの症例
【寝違い】20代 現場監督 男性
寝違いを起こして1週間経ちました。朝起きてから首が動かせず、様子をみてました。
1週間経っても、一定方向の首が動かず、痛みも強いため来院
検査の結果、炎症は無さそうなので、そのまま筋肉を調整し異常を起こしている頚椎関節の可動域を調整。その場で痛みが無くなり、可動域も正常。
3日後に再来院、検査をして問題が無いことを確認し治療終了。首の骨を鳴らす癖があった為、それを止めるように指示しました。